AI時代の広報はどう変わる?現役広報担当が読んで感じたこと

先日、他の広報担当者の方が書かれた記事を読んで、とても共感する部分がありました。

「ポッドキャストという新しい広報手段の登場」「AIが生み出す大量コンテンツとの戦い」「それでも誠実に発信し続けることの大切さ」——この3つのテーマについて、現役広報担当として日々感じていることを正直にお伝えします。


ポッドキャスト広報は面白い。でもBtoCには文字が強い

まず「ポッドキャストという新しい広報手段」について。

私自身、ポッドキャストは普段からよく聴いています。ラジオ感覚で、通勤中・家事の合間・育児の隙間時間に聴けるのが最大の魅力です。「ながら聴き」ができるメディアとして、情報収集の手段として定着してきたと感じています。

広報手段としてのポッドキャストも、確かに面白いと思います。企業の担当者がリアルな声でメッセージを届けられる、親近感や温度感が伝わりやすい——こうしたメリットはSNSと似たような感覚で活用できると感じています。

ただ、BtoCの広報においては、やはり文字コンテンツの信頼性が高いと感じています。

なぜかというと、文字には「読み返せる」「保存できる」「検索できる」という特性があるからです。消費者が商品やサービスを検討するとき、最終的には文章で書かれた情報を読んで判断することが多いです。プレスリリース・ブログ・公式サイト——これらの文字コンテンツは、信頼の基盤として今も変わらず重要だと思っています。

ポッドキャストは「認知・共感を広げるツール」として有効。文字コンテンツは「信頼・判断を支えるツール」として有効。この使い分けが、これからの広報には大切になってくると感じています。


AI動画の大洪水。企業の本気コンテンツはどう戦うか

記事の中で特に印象に残ったのが、AIが生み出す大量コンテンツについての話でした。

「1日にYouTubeにアップされる動画量は膨大で、とても人間が追いきれる量ではないと言われています」——この数字は衝撃的です。そんな情報の大海原の中で、企業が一生懸命作った本気のコンテンツが、AIが量産した中毒性のある動画と同じ土俵で戦わなければならない。

これは、広報担当者として日々感じている課題でもあります。

ちなみに記事に「3歳の娘がAIが作った猫の動画を無限に見ている」とありましたが、思わず笑ってしまいました。うちの子どもたちも同じです(笑)。親の私が「これAIが作った映像だよ」と言っても、子どもには関係ない。面白ければいい、それだけなんですよね。

でも大人はどうでしょうか。気づけば1時間、よくわからないけど中毒性のある動画をぼーっと見ていた——そんな経験、ありませんか?私もあります。

この「可処分時間の奪い合い」という現実の中で、企業が誠実に作ったコンテンツをどう届けるか。これはこれからの広報が向き合い続けなければならないテーマだと思っています。


「誠実に発信し続けること」への大きな共感

記事の締めくくりにあった言葉が、とても心に響きました。

ある広報担当者の方の記事で、こんな内容が書かれていました。

  • オウンドメディア(ホームページやブログ)をしっかり整える
  • SNSではバズを狙うのではなく、正しい企業情報を発信する
  • AIにも正確に学習されるよう、エビデンスのある情報を出し続ける

「なんだ、普通のことじゃないか」と思われるかもしれません。でも私も同じ意見です。一周回って、これが最も強い広報戦略だと確信しています。

バズを狙った過激なコンテンツや、炎上に便乗した発信は、短期的には注目を集めるかもしれません。でも長期的な信頼は築けません。むしろ一度の失敗で、積み上げた信頼を一気に失うリスクがあります。

私自身がブログを書き続けている理由も、ここにあります。毎日誰かに読まれているわけではない。アクセスが急に増えるわけでもない。でも「誠実に、正確に、自分の経験をもとに書き続ける」ことが、長期的な信頼につながると信じているからです。

広報も、ブログも、SNSも——結局は同じだと思っています。アルゴリズムに踊らされず、届けたい人に誠実に届け続けること。地味に見えても、これが最も強い戦略です。


AI時代の広報担当者として意識していること

最後に、AI時代の広報担当者として私自身が日々意識していることをお伝えします。

① オウンドメディアを資産として育てる このブログもその一つです。SNSのアルゴリズムはいつ変わるかわかりません。でも自社のホームページやブログは、プラットフォームの都合に左右されない「自分たちの土地」です。ここをしっかり育てていくことが、長期的な広報の基盤になります。

② 一次情報・エビデンスのある発信を続ける AIが大量のコンテンツを生み出す時代だからこそ、「実際の経験をもとにした一次情報」の価値が上がっています。現場で見て、感じて、実践したことを言葉にすること——これは人間にしかできないことです。

③ 誠実さを軸にぶれない バズを狙わない。炎上に乗っからない。自社の価値を本当に届けたい人に、誠実に届け続ける。遠回りに見えても、これが結果的に最も強い広報戦略だと確信しています。


AI時代の広報は、確かに難しくなっています。でも「誠実に発信し続ける」という本質は変わりません。時代がどう変わっても、この軸だけは持ち続けていきたいと思っています。


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