広報担当がいない会社がまずやること3選|現役広報が解説

「うちには広報担当がいないから、何をすればいいかわからない」

そんなお声をよくいただきます。広報というと、大企業が大きな予算をかけてやるもの——そう思っていませんか?実はそうではありません。広報の本質は「自社のストーリーを、届けたい人に届けること」です。担当者がいなくても、正しい順番で動けば、メディアに取り上げてもらうことは十分可能です。

この記事では、現役広報担当として日々実務を行っている私が、広報担当が一人もいない会社がまず取り組むべきこと3つをお伝えします。難しいことは一切ありません。今日からすぐに動けることばかりです。


そもそも広報とは「ネタの売り方」を考えること

広報の仕事を一言で表すなら、「自社のネタをメディアに売り込むこと」です。

プレスリリースを書いてメディアに送れば終わり——ではありません。大切なのは、メディアが欲しがるネタを、メディアが好む形で届けることです。

そのためには、まず自社のことを深く知ることから始まります。では具体的に何をすればいいのか、順番に見ていきましょう。


やること① 自社の強みと「なぜそれを売りたいか」を言語化する

広報の第一歩は、自社の強みを言語化することです。

ここで大切なのは、「商品スペック」ではなく「社会への貢献」を言葉にすることです。以下の問いに答えてみてください。

  • 売りたい商品・サービスは、世の中のどんな課題を解決するか?
  • なぜ、その商品・サービスを作ろうと思ったのか?
  • それを必要としている人は、どんな人か?

たとえば「新しい食品を開発した」という場合、単に「新商品が出ました」と言うだけではメディアは動いてくれません。しかし「子育て中のママが忙しい朝でも栄養バランスを取れるように開発した」というストーリーがあれば、話は変わります。

商品そのものではなく、その商品が生まれた背景や思いこそが、メディアの心を動かすネタになります。

まずは紙に書き出してみましょう。誰かに説明するように言語化することで、自社の魅力が整理されていきます。


やること② ターゲットとメディアを逆算して選ぶ

強みが言語化できたら、次は「誰に届けたいか」と「どのメディアを使うか」を考えます。

ポイントは、メディアを選ぶ前にターゲットを決めることです。

  • その商品を買いたい人は、どんな人か?
  • その人たちは、どこで情報を集めているか?
  • その情報収集の場所(メディア)は、どんなネタを好むか?

たとえば先ほどの食品の例で考えると、ターゲットが「子育て中のママ」であれば、育児雑誌・ライフスタイル系WEBメディア・食育関連のSNSアカウントなどが候補に挙がります。一方、同じ商品でも「健康志向の60代女性」をターゲットにするなら、健康雑誌や地方紙の生活面が適しているかもしれません。

ターゲットが決まれば、自然とメディアリストが絞られてきます。

メディアリストとは、アプローチしたいメディアの一覧です。媒体名・担当部署・連絡先・どんなネタを好むかをまとめておくと、プレスリリースを送るときに迷いません。最初は10〜20媒体からで十分です。

また、メディアの分野も意識してみてください。自社のネタは経済系なのか、旅行・観光系なのか、トレンド系なのか——分野によってアプローチするメディアはまったく異なります。担当記者が何に興味を持っているかを知ることが、取材獲得への近道です。


やること③ ストーリーをプレスリリースに落とし込む

強みを言語化し、メディアリストができたら、いよいよプレスリリースの作成です。

ここで多くの会社が陥りがちなのが、「商品説明書」になってしまうことです。スペックや機能を羅列するだけでは、メディアは取り上げてくれません。

プレスリリースで大切なのは、ストーリーです。


具体例:食品×農業大学コラボのケース

わかりやすく具体例でお話しします。

ある食品メーカーが新商品を開発したとします。ただ「新商品が出ました」とプレスリリースを送るだけでは、メディアはほぼ動きません。しかしここに「ストーリー」を加えるとどうなるでしょうか。

「お客様から『この味を作ってほしい』という声が多く寄せられていました。そこで地元の農業大学と共同開発し、大学の文化祭で初めてお披露目します。」

このストーリーには、以下の要素が詰まっています。

  • 顧客の声から生まれた商品(共感を生む背景)
  • 農業大学とのコラボ(産学連携という社会性)
  • 大学の文化祭での初披露(タイムリーな話題性)

メディアはこういったネタが大好きです。「産学連携」「地域貢献」「顧客の声から生まれた商品」——こうしたキーワードは、経済紙・地方紙・食関連メディアのどれにも刺さります。

さらにこのコラボにはもう一つメリットがあります。大学生のインターン受け入れにつながり、新卒採用の認知度向上にも効果があるのです。一つのプレスリリースが、メディア露出・採用広報・地域貢献の三役を果たすことになります。

**広報は「ネタを作る」ことではなく、「すでにある事実にストーリーを見つけること」です。**自社の日常の中に、必ずメディアが喜ぶネタは眠っています。


まとめ:広報は「順番」が大切

広報担当がいない会社がまずやることを整理します。

  1. 自社の強みと「なぜ売りたいか」を言語化する
  2. ターゲットとメディアを逆算して選び、メディアリストを作る
  3. ストーリーをプレスリリースに落とし込む

この3つを順番に進めるだけで、広報の土台が整います。最初から完璧である必要はありません。まず自社のことを言葉にすることから、今日始めてみてください。


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