「うちはBtoB企業だから、広報は難しい」
そう思っている広報担当者は多いと思います。確かにBtoC企業と比べると、メディアに取り上げてもらうハードルは高い。商品が見えにくく、エンドユーザーが一般消費者ではないため、「絵になりにくい」のがBtoB企業の宿命です。
しかし現役広報担当として様々な業種の広報に携わってきた経験から言うと、BtoB企業でもメディアに刺さる広報戦略は必ずあります。
この記事では、BtoB企業が認知拡大するための3つのアプローチをお伝えします。

なぜBtoB企業の広報は難しいのか
BtoB企業の広報が難しい理由は主に3つあります。
① 商品・サービスが専門的すぎてメディアに伝わりにくい 「高精度の産業用センサーを製造しています」という説明は、一般のメディアには伝わりにくいです。専門用語が多く、生活者がイメージしにくい。
② 実績を表に出しにくい 取引先の企業名や具体的な数字を公開できないケースが多く、実績のアピールが難しい。
③ 担当者が「うちはメディア向けではない」と思い込んでいる これが一番大きな壁かもしれません。「BtoBだから広報は関係ない」という思い込みが、広報活動の前に立ちはだかります。
実はこれらは全て、アプローチを変えることで突破できます。
アプローチ① 専門性を「生活者目線」に翻訳する
BtoB企業の広報で最も重要なのが、専門的な内容を生活者が自分ごとにできる言葉に翻訳することです。
私がかつて担当した案件での失敗談があります。技術力の高い製造業の会社のプレスリリースを書いたとき、スペックや数値を並べた「技術説明書」のような文章になってしまいました。当然、メディアからの反応はゼロ。
その後、切り口を変えました。「この技術があることで、消費者の生活がどう変わるか」というストーリーにしたところ、生活情報系のWEBメディアに取り上げてもらえました。
翻訳の例
- 「高精度センサー技術を開発」→「食品工場の異物混入を99.9%防ぐ技術で、食の安全を守る」
- 「物流効率化システムを提供」→「ドライバー不足の時代に、配送コストを30%削減する仕組み」
「自社の技術が社会のどんな課題を解決しているか」を言語化することが、BtoB企業の広報の第一歩です。
アプローチ② 採用広報と連動させる
BtoB企業がメディア露出を狙うとき、実は採用広報との連動が非常に効果的です。
「どんな会社かわからない」という課題はBtoB企業に共通していますが、これは採用でも全く同じ問題として現れます。「技術力は高いのに、なぜか採用応募者が来ない」という声をよく聞きます。
広報でメディアに取り上げてもらうことで「この会社、面白そうだな」という認知が生まれ、採用への好影響につながります。
具体的な戦略
- 社員のストーリーをプレスリリース化する(「こんな技術者が働いています」)
- 社内の取り組み(働き方改革・子育て支援など)を積極的に発信する
- 業界誌・専門メディアへの露出で「業界内での知名度」を上げる
採用広報と広報戦略を一体で考えることで、限られたリソースで最大の効果が得られます。
アプローチ③ 業界メディア・専門誌を優先的に狙う
BtoB企業がいきなり全国紙やテレビを狙うのは、難易度が高いです。まず業界メディア・専門誌への掲載を優先することをおすすめします。
業界メディアに掲載されることには3つのメリットがあります。
① ターゲットに直接届く 取引先の意思決定者・業界関係者が読んでいるのが専門誌・業界メディアです。一般メディアより掲載のハードルが低く、ターゲットに確実に届きます。
② 信頼性が上がる 「業界専門誌に掲載された会社」という実績が生まれ、営業時の信頼感につながります。
③ 全国メディアへのステップになる 業界メディアの掲載実績が積み上がると、全国紙や経済紙からの取材につながりやすくなります。
まずは自社の業界に特化したメディア・専門誌のリストを作ることから始めてみてください。
まとめ:BtoB企業の広報戦略3選
- 専門性を生活者目線に翻訳する(社会課題との接点を見つける)
- 採用広報と連動させる(広報と採用を一体で考える)
- 業界メディア・専門誌を優先する(ターゲットに確実に届ける)
BtoB企業だからこそ、「この技術が社会をどう変えるか」というストーリーは強力な武器になります。まず自社の専門性を生活者の言葉に翻訳することから始めてみてください。
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